8月8日のNHKFM「今日は1日プログレ三昧」を聴いていて突然記憶が蘇ったことがある。クラシック音楽を元ネタにしている楽曲の多いプログレ曲だが、その紹介のコーナーで、オランダのバンド「フォーカス」の“ハンバーガー・コンチェルト"が紹介されていた。
ハンバーガー・コンチェルトの元ネタは、ブラームスの“ハイドン・バリエーション"(または、その元ネタとなるハイドンのディヴェルティメント「聖アントニウス」の主題)だったりする件も紹介されていたのだが、これを聴いていて思い出したのが、二十数年前の僕の結婚披露宴のこと。
僕の結婚披露宴は、とても慎ましやかでシンプルな内容だったのだが、1つだけ、オゴった部分があった。それは弦楽四重奏の生演奏を入れたこと。このカルテットをコーディネイトしてくれたプロデューサーと、事前に場面ごとの選曲等の打ち合わせをした。
その際、一般的な「G線上のアリア」「アイネクライネナハトムジーク」等のリストを渡されてそれはそれでゼンゼンOKだったのだが、2曲だけ注文を出した。ひとつは、ブラームスの第1番の4楽章のあの有名な部分。そして、もうひとつは、ハイドン・バリエーションだったわけ。
ただし、その時、ぼくはあの曲をハイドン・バリエーションという曲であることを知らなかった。僕の中では、「ハンバーガー・コンチェルトの冒頭に出てくるクラシック曲」という認識でしかなかった。あの元ネタがクラシック曲であるという認識は、いつかどこかで刷り込まれたようで、それは知っていたのだが、曲名がわからなかった。
そこで、披露宴での曲目リストに「ハンバーガー・コンチェルトの冒頭に出てくるクラシック曲」をぜひ加えたかった僕は、そのプロデューサーの前で、「実は演奏して欲しい曲があるのだが曲名がわからない。ここで歌うのでわかったら教えて」と言って、「ラララ〜♪」と歌ったものです。
するとさすがですねえ〜、音大を出てそういうプロデュースの仕事をしているだけあり、冒頭の1小節を聴いただけで、「ブラームスのハイドンの主題による変奏曲ですね」とピタッと言い当てた。まあ、普段からブラームスをいろいろと聴いている人ならすぐにわかるのだろうけど、そのときの、彼女(プロデューサー)が輝いて見えました。何せ、高校生のときから自分の中で持ち続けていた謎が一瞬にして解決したわけですから。
そして、ハイドンの主題による変奏曲は、披露宴最後の僕の挨拶のBGMとして見事に演奏されたわけです。ちなみに、二十数年前当時は、式の最後に親を差し置いて新郎が挨拶するなどという習慣はなかったわけだが、それを僕はヌケヌケとやってしまったわけですね。で、その後、90年代以降ヒロミ・ゴーあたりが火付け役(例の「僕には別れがありました…」ってやったあの有名な挨拶)となって、一般においても新郎が挨拶するのが普通になったと記憶しているのだ。
高校生のときはプログレに夢中になり、その延長というか、プログレつながりで、背伸びしてクラシックも結構聴いたのだが、でも、今から思うと、背伸びしまくっていたなあ。ストラビンスキーなんて今聴いてもサッパリわからんし楽しめないのだが、小澤征爾指揮の「火の鳥」を高校生には荷が重い金額のチケットを大枚はたいて聴きに行ったり、わけもわからずドビュッシーに傾倒したり…。考えてみると、素直にバッハとかモーツアルトとかの正当的なものを聴いてりゃいいものを、現代に近い難解なものばかりをカッコつけるために聴いていたような気もする。いやそうだった。
ドビュッシーなんてこの歳になってやっと良さがわかってきたわけで、ストラビンスキーとかスクリャービンなんて死ぬまで理解できないと思うわけ。でも、まあ若い頃はなんでも背伸びしたがるものなので自分を許すとしよう。
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